型小紋 三橋工房

こだわりの仕事

型付け
型染めの工程の中でも、特に職人の技術を要するのが、型付けの作業です。約6mある長板の両面に反物をぴんとはり、その上に型紙をのせ、へらで糊をおいていきます。型紙を真横に数回おくりながら、生地全体に連続した図柄を描いていく繊細な作業は、神経を研ぎ澄ました空間で行われます。

型付け風景

地入れ
地入れは三橋工房の鮮やかな色彩を生む大事な作業の1つです。大豆とふのりを水で溶いた呉汁を、刷毛を使って生地の上に平均的にのるように、丁寧にひいていきます。これは染料のにじみや、むらになるのを防ぎます。正確な刷毛使いが、染め際の美しさを更に引き立たせることになるのです。

地入れ風景

色挿し
小さな刷毛を使って、1つ1つ手で色を挿していきます。配色は6~8色、多い時は10色以上にもなり、必ず2回色挿しするので、大変根気のいる作業です。同じ図柄でも配色が異なるだけで、別の作品と見間違えてしまうので、配色の選定と配置のバランスには、挿し手のセンスが問われます。

色挿し風景

蒸し
丁寧に染め上げた反物を、独特の形をした蒸し箱に入れて100℃を目安に蒸しあげていきます。これは生地に染料を根付かせると同時に、色自体を発色させる効果があります。蒸しの時間は色の濃さにより、また季節で蒸し箱の温度の上がり方も変わるので、そのつど微妙に変えていきます。

蒸し風景

水元
蒸した反物を水にさらし、糊を充分浮かせたら、手で振って糊を一気に洗い流します。布同士がこすれると、柄に擦れが生じるので、水の勢いを利用します。冬場は氷の張った水槽の中で、素手で水元をしますが、染め上がりの美しさを目の当たりにした時には、その苦労も忘れてしまうほどです。

水元風景

天日干し
最後に糊をさらった反物を、干して乾燥させます。干す時は両端に張り手という、長い反物を左右に引っ張る道具をつけて、天日干しをします。多い時は5、6反同時に干すこともあるので、青く澄んだ空に、色鮮やかな反物が風になびき、しなやかに泳いでいる光景を見るにつけ、爽快な気分です。

天日干し風景

もどる